創世論


わたくしのみた せかひの
うつくしさを
かきとどめるといふ
このこういは
わたくしといふ そんざひが
いま このときに
たしかにあつたという
あかしとなることでしょう
   (そして私はそのことの儚さに
     いつの日も嘆いているのです)

わたくしのみた せかひといふものは
あおく すみわたり
ときに しろくかすみ
そうして だいだいにもえる
すべての こうふくのある
うつくしひものです
   (私はこの世界が好きなのです)

わたくしのみた せかひといふものは
かぜがふきつけ
あめがたたきつけ
ひが このみをやく
すべての くつうのある
きびしいものなのです
   (ぞれでも私はこの世界を愛すのです)

わたくしがみた せかいひの
その かんじたすべてを
    (もしくは、その一部でも)
あなたにつたえるといふことは
むげんのよろこびと
しんえんなるかなしみと
そのりょうほうを
よかんさせる こうひなのです
   (それでも私は
     あなたに知ってほしい)

あなたのみた せかひの
そのかんじるすべてを
    (せめて、その一部でも)
しりたいがために
むげんのくるしみも
しんえんなるおそれさえも
わたくしは たいけんしようとするのです
   (なぜなら私は
     あなたを知りたい)

すべてのものを ふくんでいる
このせかいで
    (私とあなたのいる世界で)
どれだけのものを みることができるでせう
   (できることならばあなたと共に)

そうして わたくしの
もっとも しりたひとおもつていること
    (この心から離れない疑問)
どれほどのものをみるまで
わたくしは あなたを
このよのなかで
もっともすばらしいものと おもえるのでせう
   (どうか 全てを見てもなお
     変わらずあなたを おもえるように…)



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