高みよりのぞむ人へ


それが エゴだとわかっていても
くやしいね
膝をついたあの人に
この手が届かないのは

思い上がりだとわかっていても
かなしいね
倒れかけるあの人に
この手が届かないことは

ありきたりの言葉しか
出てこなくて
自分が ひどく 薄っぺらに思えて
何度も 何度も たくさんの
言葉を 飲み込んできたね

どうしても この手が 届かなくて
ぎゅっと 拳を握りしめて
いつまでも いつまでも
自分を責めながら
ただ 精一杯 見守っていたね

あなたは 強い人だから
あなたは 優しい人だから
守ってあげようと必死で
気の利いた特別を探して
口を閉ざそうとしてしまうかもしれないけれど

でもね ありきたりでも
でもね ありふれてても
その ほんの一言は
あの人の背中を押すよ
あなたの見守る眼差しは
あの人の立ち上がる力になるよ

どんなに辛いことでも
きっと乗り越えてゆける人だから
どれほど手が届かなくても
きっと支えるものだから

あなたがいるということが
次の一歩への 力になるよ



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