梅雨の切れ間に


雨雲は 一夜の夢のように消え
晴れた空には 切れ切れに
小さく 浮かぶ雲

空気が 密度を増し
重く まとわりつく中を
風を切って 進んで行ける

日差しは この
湿った空気に熱を奪われ
この肌を刺すこともなく
静かに 降り注ぐ

青空さえも 黄色く霞む
けだるい 午後
じとじとと 滲むように
湿った空気を 纏って

揺らぐ視界の向こうで
あなたが 微笑んだ気がして
私は 少し 歩幅を広めた



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