夕刻


「あのね、きょうはね」
声をかけると おもむろに
こぼれるように 話がでてくる

「それでね、それからね」
尽きることなんてないかのように
ずっと そうしていることが
あたりまえであるかのように…

たえまなく 続く声に身を委ねて
そっと 瞼をおろす
あぁ 世界は こんなにも 穏やかなのだな
そんな 脈略もないことを おもいながら

「じゃあね、おやすみ」
やわらかに 握手をするように
そっと また 一人に戻る
おやすみなさい またあした



戻る