青空に向かって 歩く日
今日進めれば 明日も晴れるから



泣きそうになって 俯いたら
風が 空を指差した
『こんなに明るいんだもの。もったいないよ?』



風が背中を押すうちは
この先に あなたがいると信じられる
空に太陽が明るいうちは
あなたに会えると信じられる
そうして 月に照らされて
きっと あなたの夢を見る



失ったものに 手を伸ばす
ただ 風だけが触れて
ただ 光だけが流れた



広い空が 明るいから
まだ ここにいられる
夜の空が 静かだから
また ここにいられる



少しだけ 途方にくれて
立ち止まってみる
空を仰いだら
どこまでも続いていたから
少し 笑った



さわさわと 木の葉が揺れる
風の優しさを 教えるように
「大丈夫、ありがとう」



すいすい雲に 追い越され
なんだかちょっと焦っていたら
ゆっくりお行きと 榎が言った



雲は 雲の歩幅で
ボクは ボクの速度で



夕日が世界を 朱に染めて
「お疲れさま」と笑ってくれた
あのね 今日は もうちょっと
一番星の ところまで

歩いてみようと思うんだ





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