ひとつ 明かりを灯しましょう
私にできる せめてもの
ひとつ 明かりを灯しましょう
私がいると せめてもの



ひとりで みちたりて
たくさんの人と 楽しくて
そしてまた 思い出してゆく
言葉を 紡ぐことを



この心は 現せないけれど
この気持ちは 作れないけれど
この言葉は 残らないけれど
それでも ことばは溢れ出る



断片
思考の 断片
心の 断片
想いの 断片
カケラ
何一つ 形を成さないまま



それを 選ぶことを
恐れているのではなくて
一つに絞ることに 怯えている
選ぶものは 本当に決まっているのかと



なんでもない電話の向こうで
知らない音楽がなっている
それだけで この心はふるえるのです
誰かが 歌っているから
今もこの世界は明るいのだと



街灯の光が 真っ白なこと
木々の影 その枝そのものが
ひどく鮮明に 濃藍であること
私が この世界にいること
私が ここにはいないこと



空を見上げて 視線が泳ぐ
どこを目指せばいいのだろうね
ボクラは どこへ 飛べばいい?



花が 咲くまで
寒さに耐えて
華が 咲くまで
蕾を見失っても



ふらふらと ゆめうつつに
手を伸ばす 幻を
白く霞んだ そらのなかで




戻る