『間違い電話』

電話の向こうで、お辞儀をしていそうな、
ちょっと、とぼけたような老女の声に、
なんだか嬉しくなって、気持ちが晴れる。
「ありがとうございました。」と、
一言だけで有頂天。



『押しつけ愛』

自分で何かを望むより
誰かに何かを望まれる方が楽なことがある

「あなたが望むなら、わたしはそうしましょう。」
「いいえ、わたしは何も望みませんから、
 あなたは、ご自分で望んでください。」

願望の押しつけ合い。
ネガティブに、後ろ向きに。



『メッセージ』

誰かの言葉に、ひどく安心する。
その一言は、大概の場合、
放り投げられた独り言に過ぎないのだけれど。



『そばにいて』

誰かを求める気持ちが、
気付いたらなくなっていた。
このまま一人で居ることになれて、
孤独を恐れる気持ちもなくなったら、
少なくとも夜の散歩だけは
格段に快適になるだろう。



『仲間』

頼っていいんだよ。と、時々云われる。
その度に、「大丈夫」と言うのは、
自分でできることを
人に頼む必要性が見つからないから。

本当は、こう見えて随分、楽をしている。



『鏡』

毎朝、日毎に、その日の服を選ぶのが難しくなってくる。
待ち遠しいノースリーブを横目に、
無難な七分袖のブラウスに袖を通す。

こんな曇り空の日には、
何を着たら、7月の気分を保てるのだろう?



『ココロ』

苦しみは 心の内側に
喜びは 笑顔の外側に
悲しみは 過去の向こう側
しあわせは 未来のずっと先



『虹』

架けることも、渡ることも望みません。
ただ、目の端に少しだけ、
一瞬映って欲しいのです。



『真実』

ほんとう

という、言葉の響きが好きで、
誰にも何も打ち明けることもないのに、
「ほんとうは…」
なんて、つぶやいている。



『言葉』

10個溜まったら手紙にして、
100個溜まったら本にしよう。
そう思いながら、少しずつ、
書いては消して、消しては書いて。





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