もえる落ち葉に 遠慮するように
空の青が 白に近い
高く 高く 風に乗って
深い色を そそぎに行こう



風の強い日 流れる言葉
雪に紛れて 降り積もる言葉
空の彼方へ 昇る言葉
夜光に流れて 想う言葉



恭しく捧げた礼儀を
背筋を伸ばして読み上げよう
古臭い黴に咳き込まないように
作法と儀式をこなしたならば
血の色に染まった古の伝統へ
巡り廻る時は続く



優しくされた分だけ
君を想う 時間が増えるよ



暮れかけた灰色の空に
落ちる 雨 一滴
ただ一粒 ただまっすぐに
落ちる 雨粒 一滴



聖なる夜 聖なる光
ときめくように 灯る明かり
浮き立つように 流れる明かり
聖なる 聖なる 聖なる夜



月が 啼くという
その声を 聞いたことはないけれど
閑かな夜 それは 本当だろうと思う
聞こえはしない鳴き声が
夜の空気を震わせるような
張りつめた 白い月光



尊いものは 確かにあって
その思いは ほんとうで
かなわないとわかっていても
思い続けるその想いだけは
想いだけなら ほんとうにきれい



僕たちは それでもここにいて
この世界しかなくて
この世界にしかなくて
そうしてまた ここにいて…



たくさんの ことがあった
たくさんの 人に会った
何一つ 私の手には残らなくて
全部 通り過ぎただけだけれど





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