今日も私は、世界にみとれて
風に背を押されながら、進んで行きます。
雨上がりの晴れた空は、
湿った風に、優しさを吹き込んでいました。



雨の降った次の日に
真っ青に晴れただけでも
声を上げてしまいそうなほど嬉しくなる
そういう生き方を 選んでいるのです



本当に 心底そう望むのかときかれたら
即答はできないかもしれない
ただ 別の道をいくら眺めても
それを望むことは とうていできないと思うから
消去法だけれど それでも



たった一握りの言葉なのに
風に乗って 世界をめぐるように
私の中で 流れ続けるのです



確かなものなんて
ずっと なんにもありませんでした
ただ それでも
私が私で あなたがあなただということだけは
奇跡のように 在り続けているのです



「どうして?」なんてこと知らなくても
それをみることはできる
ということが 頭でわかっているうちは
本当にみることはできないかもしれないね
ちょっと休んで目を上げるには
気を抜かなきゃならないから



なんでもないことなんですよ。
大したことではないんです。

困ったように、その人が笑った気がした。
あなたにとってはあたりまえの、
特別なことじゃないから、たぶん、だからこそ、
私はこんなにも、夢中になるのだと思う。



見上げた空に 言葉を放つ
吹き去る風に 言葉を乗せる
そうして わたしも ほどかれていく
流れる言葉に 解かれていく



ほんとうは 知っているはずのもの
私自身も その一部だったのだから
ほんとうは わかっていたはずのもの
今はもう 手が届かないけれど



目を閉じて、自分を無くす。
耳を澄まして、世界を聴く。
息を止めて、ただそうであるように、
手も、足も、進んでゆく。
ただ、信じて進むこと。





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