時間

小さな靴、小さな服。
以前はあんな物の中に、
私も納まりきっていた。

体が大きくなっていかないことが、いつの間にか当たり前になって、
代わりに、色々なことを覚えた。



この生が終わるときに

人生の、一番最期の時に、
何の意味も意義もなかったけど、それでも楽しかった
と、そう言ってのけるだけのものがあったらいい。



わかってる

あなたのせいじゃない。

だから私は苦しいんだ。



たすけてたすけてたすけて

私が勝手に思い込んだ
他人の考えに押し潰される…



生きにくくて しようがないくらい
私は 私自身を抱え込んでいる

生きにくくて しようがなくて
けれど私自身を 手放せない

私は 私と連れ立って歩む
ただそれだけの 一人でしかない



私と彼女の会話
彼女と彼の会話
彼と私の会話…

ただ私の 頭の中でだけ
繰り返されるもの
ただ私の世界でだけ
回り続ける………



言葉が降ってくる

風が 流れを変えると
言葉が舞い散る

全ての美しいものが溶けた世界に
全ての美しいものを溶かす世界に



掌の中の空気に
答えを求めて見つめる
風の囁く答えに
耳をふさいで歩き出す

ふり仰いだ空は
突き放すような沈黙



あなたが じょうずにやさしくなった
わたしは すこしはつよくなった?

どこまでも いつまでも
わたしたちは きっと
ただ独りの人であることを
捨てることも 諦めることも
できないだろうけれど

わたしたちは いくらかここちよくなった?
ちょうどいい距離をおいて
ならんで歩いて わらえるくらい



空を 見上げて 叫ぶ
ただ そうして 生きる





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