あのひ



ほんとうは いたかった
けれど イタイといったら
あなたたちは 困るから
イタイといったら
私は 泣いてしまうから

ただ 不機嫌に強がって
ただ 不愛想に黙り込んで
ただ 泣かないでいることに
必死になって それだけで


わらえたら よかった
泣く場所は なかった
怒るのも 怖かった
嬉しいのが 後ろめたくて
幸せに 背を向けた

一人でいることに 必死で…


強くなろうとしていた
だから 黙っていた

強くなろうと 思った
だから 彼等に言った

これは私のエゴ
繰り返し 繰り返し


ほんとうは イタかった
きっと 苦しいより 辛いより
イタイ方がラクだと知っていた



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