***** 耳の奥で、かすかに囁く声に揺られるようにして、 私は、目を覚ました。 黒い夜は、 うっすらと白んだ空で、 朝焼けに溶けていた。 開けたままの窓の外は、 晴れた朝。 ぼんやりと、霞んだ月が、 薄い、明るい青の空に、 細く細く、張り付いた白い朝。 *****