〜抱く想い、伝える心…


悔しくて、悔しくて、
泣きたい気持ちになって、
けれども涙なんて出てこない。

ただ、ごはんの味が、
その瞬間に、消え失せた…

思うことはあるのに、
あたしには、
伝えるだけのものがない。

想いを、感情を、
溢れそうに感じるくらいに
抱きかかえているのに、
それを出し、
伝えるだけのものが、
あたしには、ない。

ただ、ぎゅっと苦しくなった。
それは、本当なのです。
悲しかった、あの時のように、
苦しかった、あの日のように、
淋しかった、あの夜のように、
心が、締め付けられるように…
また同時に、それらとは全く違うように。

手を伸ばしても、伸ばしても、
求めるだけのものが、ない。
そうできるだけのものが、ない…

凍り付くような自分自身を抱きながら、
けれど、それでも、
止まってしまうのは、
閉じこもってしまうのは、
違うと思うから、
せめて、そう思っていたいから。

求めるだけのものを、
あたしは持っていない。
伝えるだけのものが、
あたしにはない。

それでも、
尚、それでもと、
くりかえし、くりかえし…

おもったことは、
ほんとうだから。
やめてしまうのは、
ちがうから。

どうか、どうか…と
願いながら、祈りながら…
せめて、自分で消すことは
それだけは、ないように。
まだ………



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