〜この突き抜けるような青空に…


   結局の所、何度も何度も繰り返し
   馬鹿をみていくしか、ないのだと思う…

泣きながら眠った次の日の朝は、奇妙に現実味がなくて、
家を出る前に、鏡に映る自分の顔を見たことさえも、
夢なのか、現実なのか、もうよくわからなくなっていた。

よく晴れた夏の朝で、昨夜の雨のおかげか、
風は涼しくて、暑いとはいっても、まだ過ごしやすい。

いつもより早く目が覚めて、いつもと同じように支度をして、
いつもより早く家を出て、いつもと同じ道を行く。
規則正しく、生活を続けている。

心配なんて、されたくない。
他人にきかれて答えられるほど、自分で分かっているわけじゃない。

詮索をされるのなんて、まっぴらだから。


朝、目覚めると、随分明るかった。
風は涼しくて、ちょっと肌寒い気がした。
なんだか無気力で、ぼーっとしていたら、

「………会いたい…」

言葉が、こぼれた。
言葉が、こぼれたけれど、

「くだらねぇ…」

会えば、もっと近付きたくなる。触れたくなる。
触れれば、きっと、ないてしまうから…
たぶん、会わない方がいい。

負担になるなんて、まっぴら…

バカなのは、知ってる。
でも、自分の感情なんて、ねじ曲げられない。
押しつぶされそうなほどの、孤独や、キズを負っても、
笑っていられるような生き方がいい。
いつだって、誰にだって、なにもかも、
なんでもないように、笑ってるのがいい。

好きなのも本当。
会いたいのも本当。
けど、
どうにもならないのも、本当…

それでも、なんでもないように笑っていられたらいい。
こんな、きれぇに、晴れた日くらいは………



戻る