じりじりと、焦がすように、
照りつける日差しは熱く。
雲一つない空の青も、
力強く生い茂る緑も、
切り裂くように、濃い。
正午のサイレン。
周囲の人々同じように聞き流したまま、
真っ青な空に、思いを馳せる。
晴れた空には、無数の人。
漂うように、どこかを目指すように。
『この日、何があったのか…』
私は、本当の意味では知らないから。
ただ、曖昧に、思いを馳せる。
伸ばした手に、誰かが触れる。
私の、知らない誰か。
『ごめんなさい。でも、大丈夫だから』
目が、あった気がして、そっとつぶやく。
ただ、あなた達が、精一杯生きたことに
曖昧に、思いを馳せて。
安らかに。今はもう、ただ安らかに眠れと
それ以上に、願えることがない。
かけられる言葉もなく、ただ黙って、
空を舞う、無数の人々を眺める。
この、斬りつけるように強い、
日差しに、青に、夏の日に。
その過去を思うことを、ぼんやりと考えて。
ただ事実として、私の中に植え付けるように留めて。
己の影を踏みしめて、
せめて 顔を背けぬように。
そう、覚悟を決めるかのように、
顔を上げて、歩き出す。