ボクは、ただ、そこに立っていた。
目の前には、まっすぐに続く道。
ボクはこの道を歩いていく…
俺は、口元に笑みを浮かべ、視線を足元へ向けた。
「まぁ、こんなモンだろ。」
つぶやくと、心が軽くなる。
俺は笑って進んでいく…
けれどあたしは、感じてしまった。
あの、暖かな日差しを、幸福なぬくもりを。
それは、こんなにも恋しい。
この心は、こんなにも弱い。
あたしは、膝をついた…
そして私は、ほんの少し覚悟を決める。
ぬくもりは、もう通り過ぎている。
とどまってはくれない。この手には、残らない。
もう一度、視線を上げて、目の前に続く道を見る。
立ち上がれる。立ち上がろう。「行こう。」
私は、私であり続けよう…
目の前には、まっすぐに続く道。
視線は、その道の最端へ。
地平線へと消えて行くところ。
どこまでも続く、道。
確かめに行こう。
あの道の、一番先まで。
この道が、どこまでも途切れないことを確かめに行こう。
行き過ぎる風をとどめる術はないから。
降り注ぐ陽光を汲み取る術はないから。
この足で立つことを、歩くことを選んで。
最後まで、進むことを選べるように。
きっと、笑っていけるだろう………