『序章』
それでも、まだ 覚えている記憶 思い出だけは、決して消えない 思い出だけにしか、もう残らない、あの日… 〜トキ〜 世界は変わった。 ……… 俺の記憶が確かなものなら、 この世界は、変わってしまった。 ある日目覚めると、世界は変わっていた。 それから3ヶ月、 俺にもやっと、この世界の様子が見えてきた。 あの日、世界が変わった日、 その日を覚えているヤツを、俺はまだ、 俺以外には知らない。 〜カイ〜 世界は変わった。 ボクが覚えているあの世界とは、 全く違うものに、変わってしまった。 建物が変わった。 区画が変わった。 …景色が変わった。 人々が変わり、 社会が変わり、 全ての事情が、全く変わった。 あの、かつての世界の風景を、 ボクだけはまだ、確かに覚えている。 〜シン〜 世界は変わった。 ……… 私のいた、かつての世界から、 変わるべくして変わった。 それは、必要な変化なのか、 この世界は、必要なものなのか、 人間という存在そのものを試すように。 過酷に変わった、人の世で、 私は答えを見定めようとしている。 〜ソウ〜 世界は変わった。 ……… 僕は確かにそのことを感じた。 なにが変わったのかは覚えていないけれど、 何かが変わった。 確かに変わった。 その違和感だけを残して。 それまでのことは、なかったことのように。 世界は、違うものになった。 それでも僕は、この世界で生きてゆくしかない。 〜We〜 変わり果ててしまった世界で、 けれども生きてゆくしかなくて、 ただ、何かの理由を探している。 生きることだけに必死で、 けれどもそれだけじゃ納得できなくて、 ただ、何かの理由を探している。 まだ、憶えている。 そのことだけが、あなたとの絆…