〜春光にとけ、薫風にとかれるように、と…




くだらないことばかり
本当にくだらないことばかり
考えている自分が嫌で
それでも 思考を止められなくて
叫び出しそうになりながら
慌ててノートを開く

違う
そんなことに とらわれたくない
違う
沈み込んだりしたくない

思い出せ
綴る言葉は 青空
思い出せ
織り上げる言葉は 夜空
思い出せ
詠う言葉は 風
思い出せ
声を上げるなら
ただ 輝きを 輝きを

空を見上げさえすれば
それでいいと思っていた
あの時 あの自分


晴れた空に
泣くこともできなくて
立ちつくしたとしても
うつむかずにはすむ

月の光に
心奪われて
時を忘れたとしても
思い出に浸らずにはすむ

風に 吹く風に
押し戻されても
背中を押されても
進むことを 忘れずにはすむ


この手を 空へと伸ばしても
何もつかめないことの幸福

私は まだ
ここで終わらずにすむから
先へ 先へと
進んでいけるから
光だけは 見据えたままで
このまま 空を見上げたままで



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