〜翼と、空への憧れ…


ある日突然 翼が生えたらどうしよう?


朝起きたときは普通で、
服を着て、顔を洗って、ご飯を食べて、歯を磨いて、
「いってきます」って、家を出たら、
あんまり、日差しがまぶしくて、空がきれいで、
背中から、にょきにょきと、
まっしろなはねが出てきそうな気がした。

ボクに、翼が生えてきたらどうしよう?

真っ青な空を眺めて、真っ白な雲を目で追って、
きっと、空が飛べるのは、すごく気持ちがイイと思う。

でも、本当に翼が生えてきたら、どうしよう?

翼が生えてきても、
ボクは、ボクなのかなぁ…?

空が青いから。
日差しが明るいから。
ほんとうに、ほんとうに、
世界はきれいだとおもうから。 この世界の上に立って、風を受けながら、
空を見上げるのがスキだから。

つばさがはえてきたら、
かなしいんじゃないかなぁ…
空にいけるから、地上にとどまれないから、
ボクは、かなしいんじゃないかなぁ…

ある日突然、翼が生えても、
ボクの背中から、にょきにょきと、
はねがでてきても、ボクは…

見なかったことにして、
気付かないことにして、
髪と一緒に翼も風になびかせて、
やっぱり、この地上から、空を見上げていたいんだ。

だから今日も、いつもとおなじ。
空も、日差しも、風も、みいんなきもちがいいから。
今、ボクの背中に、翼が生えても。
いつもとおなじ。ずっとおなじ。



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