〜残暑の空と、あの笑い声…


笑い声が、聞こえた気がして、
少し、淋しさで胸が痛んだ。

君が、今、どうしているのか、
俺は知らない。
ただ、いつも泣いていたあの場所から、
君はいなくなった。
いつも見ていたあの場所から、
君は見えなくなった。

遠くから、微かに、
君の笑い声が聞こえた気がする。

それは、もしかしたら、
俺の思い浮かべた、君の笑顔に伴って、
俺が思いだした幻聴かもしれない。

頼っていたのは、
支えられていたのは、
俺の方か………

馬鹿みたいに真っ青な空は、
どこか、白けた色で。
キミの笑顔が、きっとよく似合うと思った。

静かに笑って、
軽く髪を掻き上げたら、
俺は俺で、また行けるだろう。

いつの間にか風が、
ほんの少し軽くなっている。
そんな気がして、
微かに聞こえたあの笑い声に、
小さく、声をかけた。

「幸せかい?
 もう、暗闇は抜けたかい?」



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