***** その日、朝の白い光の中を、 白昼夢のようにふらふらと進み、 昼の黄色い光の中を、やっぱり夢現に過ごし、 夕方、空が赤くなる頃に、やっと、 私の脳は活動を始めた。 道化は、昨夜のことは夜だといい、 その前の晩を昼だと言った。 私は、夢の中で、 昼の彼と、夜の彼がいることを、 なぜかわからないけれど、知っていた。 最初に会った、戯けた彼の姿に、 昨夜の夢の、静かな彼の目が重なる。 …そんなことを考えながら、日が暮れた。 その日一日、彼の声が耳に響いては消えずに残っていた。 昼の彼と、夜の彼と、交互に。 時には、両者が重なり合って… *****