***** まだわずかに残っている、 月の光を確認するように、空を見上げる道化。 夜風の運んだ雲に覆われ、 暗くなった空に、 白いシルエットとなって、 彼は浮かんでいた。 ふと、 振り返った彼と、目が合う。 ゆっくり、ゆっくりと、 道化は、その顔を笑顔で満たし、 右の腕を上げ、また、ゆっくりと下ろしながら、 深々と、お辞儀をして、 掠れたような、紺色の空に、 少しずつ、少しずつ、溶けだした。 *****