クラウン





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「こんばんは。お嬢さん。」


開いたままの、本の脇で、
頭を腕に埋めて、呆けていると、
あの声が響いて、はっとして頭を上げた。

少しだけ、眠っていたのかもしれない。

開け放した窓に腰掛けて、
道化がこちらに笑いかけていた。




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