***** 「お疲れのご様子ですね。 昨夜の疲れでは? 夜更かしなんて、するからですよ。」 くすくすと笑いながら、道化は言った。 可笑しい…というよりは、嬉しそうに。 「あ…」 何か言いたくて、何を言ったらいいのか解らなくて、 思わず立ち上がった。 ガタッと、椅子が傾き、床に倒れる。 道化は、今度は黙ったまま、 椅子の動きを目で追って、 私の顔を見てから、倒れた椅子を一瞥し、 椅子と床がぶつかった音が消えてから、 窓の外に、視線を移した。 「今日も、いいお天気ですねぇ。」 こちらを振り返ることもなく、 「やっぱり、明るい空はいい… あなたにも、こういう空の方がお似合いですよ。」 *****