***** ガタン なんの言葉も出ないまま、 道化に近寄ろうとして、 倒れていた椅子に躓いた。 彼は、驚いた顔をして、こちらを見たけれど、 私が構わず近寄ると、気遣うように見守っていた。 ゆっくりと、窓に近付き、 もたれ掛かるように、窓枠に腕を乗せ、 肘の辺りに頭を乗せる格好で、道化を見上げ、 私はやっと、口を開いた。 「………昼の、国?」 *****