***** 彼の顔を見たら、頭の中がスッキリと真っ白になって、 その言葉は、考えるよりも前に、口をついて出ていた。 ついでにいうなら、そう言った後にも、 何も考えられてはいなかったのだけれど。 道化は、様子を窺うようにこちらを見て、 暫くしてから答えた。 「えぇ、そうですね。 ここは、真っ白な光の、 明るい明るい、真昼の国です。」 そう言って、にっこりと笑った彼の顔と、 少しぼやけたような、暗い青の空と… その後のことは覚えていない。 次の朝、私は、 窓の下の壁にもたれかかるるような姿勢で目覚めた。 *****